『Kiyomizu ware exhibition-色絵と手業の清水焼展-』によせて ①京焼・清水焼とは


至善堂の実店舗で開催される企画展。三回目は京都の清水焼。その特徴である色絵付けと金泥にスポットをあてた作品を幅広く展示します。
「京焼」とは、京都で焼かれた陶磁器の総称です。「清水焼」は京焼の1つに位置し、江戸時代に野々村仁清によって大きく発展しました。
清水焼は決まった形式がないことが最大の特徴です。同じ清水焼であっても、作家の個性が出た様々な作品を楽しむことができます。
材料
一般的によく耳にする「陶器」「磁器」は焼き物の素地の違いで言い分けられます。使用される主材料が「陶土」であれば陶器、「陶石」であれば磁器です。そのため陶器を土もの、磁器を石ものとも呼ばれます。
絵の具は「和絵の具」「洋絵の具」があります。和絵の具は透明感のある仕上がりに、洋絵の具は不透明な仕上がりになります。京都では和絵の具を使用されることが多いです。
窯
陶器は窯の温度や釉薬の厚み、焼いた後の冷やし方など様々な要因で仕上がりが変化します。同じ温度であっても窯が変われば仕上がりは変わってしまいます。そのため職人・作家ごとに方法があり、絶対的な正解はありません。
工程
焼き物(色絵付け)の基本の製造工程は次のとおりです。
まず粘土で形をつくる「成形」。乾燥させて形を整える「削ぎ」。形を固める「素焼き」。ベースの色となる「下絵付け」。釉薬をかけて焼き、焼きあがったものに細かく色を塗る「上絵付け」。
色絵付け

金泥の使い方
金泥の扱い方は作家それぞれです。金に透明の絵の具とメディウムを混ぜる方やゼラチンを溶かしたものを使用する方もいらっしゃいます。共通しては細かい泥が好まれます。求める表現によりますが、盛り上げて描くためには細かい泥が良いようです。

Shizendo Magazineでは、企画展によせてご縁があった3名の作家を取材し、色絵付けの魅力を全4回の連載としてお届けします。お楽しみに。
『Kiyomizu ware exhibition-色絵と手業の清水焼展-』によせて②工房探訪/株式会社陶葊
『Kiyomizu ware exhibition-色絵と手業の清水焼展-』によせて③工房探訪/小野多美枝(雅号:空女)