金泥・金消・金粉よくある質問-いろいろ比べてみました-
金泥は日本画・絵画・工芸・金継ぎなどに使われています。きめ細かで発色・伸びがよいのが特徴で多くのアーティストや職人にご愛用いただいてるロングセラー品です。
ご購入の際よくいただく質問「一包でどのくらい描ける?」「どんな色があるの?」「代用はどの程度褪色するか?」にお答えするため比べたり検証してみました。
ちなみに、この「金泥(きんでい)」という呼び方にもご質問をいただくことがあります。金泥は金箔をすり潰し粉状にしたもの。金粉は絵画業界では「金消(きんけし)や消粉(けしふん)」と呼ばれることが多く「金泥」はその粉末に膠を混ぜた状態を言うそうです。しかし私達は昔から粉末の状態のことを「金泥」と呼び「純金泥」として販売しています。
金泥0.1gで描ける面積
金泥の塗り方や下地により変動しますが、ここでは膠で溶き1度塗りでどのくらい描けるのか試してみました。
結果は170㎠、およそはがき一枚分の面積となりました。
金泥の色の違い
「金泥」と一括りに呼んでも金属の配合や細かさ等により、さまざまな種類があります。24Kから1号3号4号と号数が大きくなるほど金の割合が減り銀の割合が増えていきます。ですので24Kの次に1号が純金の割合が多く赤みの強い金となるわけです。
動画では違いがわかりやすい色を数種類ピックアップし比較ます。純金泥特製は1号です。
上から
5色の塗り分けをしています。いかがでしょうか。大きく「赤金」「青金」と区別されたりもしますが、金の配合によりここまで色味に違いがあります。思い通りの「金色」が表現できる金泥を選んでみてください。
※スクリーン印刷の糊に綿・筆で蒔いて(散らせて)います
純金泥と代用泥の褪色比べ
純金は金属の変化による褪色のない金属です。昔に描かれた絵画や工芸品も、純金の泥を使って表現されているものは年月を経ても美しい輝きを残しています。 一方、代用金泥である準金泥や本金紛泥は真鍮(銅と亜鉛)で出来ているため変色・褪色した起こります。
どのような変化があるのか…左が純金泥、右に準金泥を塗った絵はがきを用意しました。
硫黄成分を含ませたシートを当てアイロンの熱を加えて経年変化を再現します。
真鍮の泥は金属の変色が起こり、褪せてしまっているのが確認できます。
価格が安く手に取りやすいため代用泥にはメリットもあるので、使い分けをおすすめします。
金泥を磨く
純金泥は猪牙(ちょき)や瑪瑙(めのう)棒などで磨くことにより輝きがいっそう増します。
こちらは紺紙に写経をし磨いたもの。鱗片状の金泥の表面を磨くことでより金属本来の輝きが増し、厳かな仕上がりになっています。
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色々な種類があり時代に合わせて種類を増やしている「金泥」。今回は様々な角度から掘り下げてみました。金泥選びの参考になれば幸いです。