金継ぎとは?金泥を使った金継ぎの魅力をおさらいします!
金継ぎの魅力
金継ぎとは割れや欠けのある器を漆で修復する技法です。<古くからある日本の伝統工芸の手法で、金繕い(きんつくろい)とも呼ばれます。器の品位や美術性を損なわないために漆で継いだあと仕上げに金泥や金粉、金箔で装飾します。
壊れたものを破棄するのではなく、割れや欠けを個性とし、唯一無二のものとして美しく蘇らせる金継ぎは、最近日本国内だけにとどまらず海外からも注目されています。
金継ぎの歴史
茶道・華道が栄えた室町時代から漆を使って補修する技術が誕生したそうです。安土桃山時代になると金で装飾する「金継ぎ」もさらに発展しました
金継ぎの技法
器や割れ方などによって異なりますが、ここでは目安として「割れた器」に対する金継ぎの手順やコツをご紹介します。
- 洗浄、面取り、素地固め
- 下地の漆を作り、つけ、固定し接着する
- 漆を削ってさび漆を作り、接着部分を埋めるようにつける
- さび漆を削る水研ぎをして中塗りをする
- 再び中塗りをする
- 色漆を塗る
- 金粉(金泥)を蒔く(1回目)
- 金粉(金泥)を蒔く(2回目)
- はみ出したラインを修正する
- 粉を漆やテレピンで固める
金継ぎの材料
金泥(消粉)は粒子の大きい金粉より光沢が控えめで上品に仕上がることが特徴です。
金継ぎの道具
- 皿
- マスキングテープ
- 真綿
- 紙やすり
- 作業用パレット
- 筆
- プラスチックのヘラ
- 竹串
- 楊枝棒
- 竹ヘラ
- スポイト
- 小さじ
- 綿棒
- 漆から手を守る手袋
- デザインナイフ
- 硫酸紙
- 美吉野紙
これらがセットになった簡単に体験できる金継ぎセット(国内版)
終わりに
幾重にも工程を重ね、割れや欠けを継いで行く「金継ぎ」。 ものを大切に使い続ける習慣や、経年使用による変化を新たな生まれかわりとする。昔の日本人の感性は、情報やものが溢れた現代に生きる私たちに気づきを与えてくれるのではないでしょうか。
至善堂では8月9日「箔(ハク)の日」に金継工程の中で一番楽しい蒔絵のワークショップを開催します。
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参考文献:「かんたん金つくろいブック」淡交社