ガラス工芸家・田上惠美子さんの工房を訪ねて 金箔・金粉の通販は至善堂 – Shizendo

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大阪にあるマンションの一室、こちらにコアガラスやとんぼ玉のガラス作品を創作されている田上惠美子さん(以下、田上さん)の工房があります。

台所を改造しコアガラス(※1制作に使う小型キルン(釜)や、バーナーワーク(※2)用のバーナーが設置され、壁に架けられた道具類、排熱のダクトを這わせた天井は秘密基地のよう。共に創作活動をされている息子さんは「映画に出てくる科学者のラボみたいでしょ」と笑います。

 
  

 

田上さんは日本で活躍されているガラス工芸作家です。作品の多くはガラスと金属箔を融合させ作られ、コアガラスの盃、とんぼ玉やアクセサリー、オブジェには金、銀、銅、プラチナ箔などが使われています。

 

幼い頃より鉱物に強い魅力を感じ、ご家族でもよく石拾いに出かけられるそうです。

現在は息子さんと共同でユニット硅砂組として、金属、石、ガラスを用いた作品作りをされています。

材料のことにも詳しく、ガラスメーカーにご自身で足を運ばれ、作品の元となる色ガラスを選んでいるとのこと。

とても研究熱心で自作の設備や材料のことについてこちらが問えば沢山お話ししてくださいました。

画像は「国際ガラス展金沢2019」で金賞を受賞した、硅砂組作「散華(さんげ)」

 

今回はこの制作工程の一部を目の前で見せて頂きました。

 

△サンドブラストを施したコアガラス。

 

ガラスの温度によって変化する箔は炎の中で様々な表情を見せてくれます。時には金属箔メーカーの私たちでも見たことのなかった変化を遂げます。

例えばガラスの表面に銀箔を残したいとき、金箔をガラスと銀箔の間に二枚程度重ねなければバーナーの熱で銀箔が熔けてしまい箔の表情が綺麗に残らないなど、実験を積み重ねて様々な表現にたどり着くそうです。

 

取材時に目の前で制作実演をしていただいた、銅箔、銀箔を溶かし込んだガラス棒。

△(左)銅箔とガラスをバーナーの炎で融合させ伸ばしたもの(右)同・銀箔

金属箔は熱を加えガラスと合わさると細かい鱗片状に割れて散らばっていくのですが、銅箔は澄んだ青色に、銀は彩度の高い黄色に溶けていきました。金属からこんな鮮やかな色が現れると思わず、長年材料として扱ってきた私たちも感嘆のため息がこぼれました。



※コアガラス…古代メソポタミア文明に栄えた最も古いガラス器の技法。金属棒の先に器の内側の形にした耐火粘土等のコアを造り、溶かしたガラスで覆い成形します。

※バーナーワーク…ランプワークとも言い、バーナーの炎で棒ガラスや管ガラスを成形する。とんぼ玉やガラス人形の制作の他、グラスやアクセサリーなど多様に使われています。

 

<田上惠美子さん profile>

1955年兵庫県神戸市生まれ。1985年頃よりランプワークを始める。

日本クラフト展など入賞入選、個展・グループ展多数。

 

【instagram】https://www.instagram.com/emiko_tanoue/

【Facebook】https://www.facebook.com/emikotanoueglass

【web site】http://glassemiko.seesaa.net/